マタニティ時期にむくみを経験する妊婦さんはたくさんいます。手足や指、顔などの体がむくんで痛いという症状のある方もいます。
妊娠中のトラブルは、お腹の赤ちゃんにも影響を与えることもあるので、むくみがあるときは食生活や運動など、妊娠中の生活習慣を見直してみましょう。
コンテンツ
むくみは生理的なものであることが多いようですが、妊娠中に血圧が高く浮腫みがあるような場合は、病気が隠れていることもあります。むくみがひどく痛いといった症状があるときは、早めに主治医に相談するようにしてくださいね。
ここでは、妊娠中にむくみやすくなる原因をまとめました。
子宮がどんどん大きくなってくると、骨盤や足の付け根を圧迫しますから、血流やリンパの流れが悪くなり、浮腫みをひきおこします。妊娠後期や臨月は、お腹がとっても大きくなるため、とくに浮腫みやすくなります。
妊娠するとママの体は、赤ちゃんに酸素や栄養を届けるために血液量が増加します。血液に含まれる血漿には、90%の水分が含まれているため、水分を含んでいる血漿が増えることで浮腫みの原因となるのです。
臨月にもなると、通常の30~50%も血液が増加しますから、妊娠後期はむくみやすいといえます。
塩を取りすぎると、塩分濃度を薄めようと体が水分を保持します。溜め込まれた水分がうまく排出されないことが原因となり、浮腫みをひきおこします。
漬物や加工食品など、塩分を多く含む食べ物は1日1食にしたり、麺類などつゆは残すなど、塩分を控えた食事を心がけることも浮腫を解消するには大切なことです。
筋肉の働きには、血液やリンパ液を体内に循環させるポンプのような働きがあります。同じ姿勢が長時間続くと、太ももやふくらはぎの筋肉が動かないので、血流が悪くなり水分や老廃物を上手く運ぶことができません。それに同じ姿勢でいると、お腹のはる原因にもなります。
妊娠中期や妊娠後期はお腹が大きくなるので、動きにくくどうしても同じ体勢をとってしまいがちですが、無理のない程度にストレッチをしたりマッサージをするなど、筋肉を動かしてあげましょう。
また、血流が悪くなることで冷えを引き起こしますから、靴下やストッキングなどを履くようにして、下半身や足元を温めるようにしてくださいね。
妊娠すると、お腹や腰回り、お尻や胸など、どんどん体型が変化します。これまで着ていた洋服が窮屈になりますが、無理をして着るのはやめましょう。
体を締め付けると血液の流れが悪くなるので、冷えや浮腫みを引き起こす原因となります。また、窮屈なファッションは、お腹が大きな妊娠中期や後期には、動きにくいので転倒の危険もでできます。
マタニティ時期は、体の冷えないゆったりとしたファッションで、快適に過ごすことが大切です。
妊娠中はどうしても運動不足になりがちです。お医者さんに運動を止められている場合は別ですが、軽くフォーキングをしたりストレッチをしたり、適度な運動をすることで、肩こりや睡眠不足などの解消にもつながります。
筋肉には、血液やリンパ液を循環させる役割がありますから、運動をしないと血液が水分や老廃物を上手く運ぶことができないため、体がむくむ原因となります。
体重が増加すると、妊娠妊糖尿病に繋がったりお産が大変だったりと、ママや赤ちゃんへのリスクが高くなります。安定期に入ると、マタニティビクスやヨガ、スイミングをはじめてみるのもいいですね。
妊娠中に運動を始めるときは、必ず主治医に相談してから始めるようにしましょう。
妊娠中は、体が脂肪を蓄えようとするので普段より食欲が出たり、食べないと吐き気がおこる食べつわりの症状が出る妊婦さんもいて、太りやすい体になります。
妊婦さんの体重が増えるのは当たり前ですが、太りすぎは浮腫みの原因となるだけでなく、赤ちゃんや母体へのリスクが高くなりますし、妊娠線ができる原因にもなります。
妊娠すると、「羊水:500g」「胎盤:500g」「子宮・乳房・血液:3~4kg」「赤ちゃん:2.5~4kg」の重さ分体重が増えるので、一般的に7~10kgほどの体重増加となります。
妊娠中でも、軽い運動をしたりバランスのとれた食生活を心がけ、体重管理をすることが大切です。
妊娠6週目ごろから手足の浮腫みがはじまり、これまでつけていた指輪や腕時計ができなくなりました。心配になって産院で血液検査をしましたが異常なし。妊娠初期なので仕事はまだ続けていますが、デスクワークなので同じ姿勢にならないよう注意したり、ストレッチをしたりして浮腫みを解消しています。
妊娠15週目頃から急に、指を曲げると痛いし手を握るのがつらい時期がありました。むくみがひどいのは特に寝起きで、時間がたつと少しだけよくなります。妊娠後期だけじゃなくむくみは初期や中期でもおこるので、気になるときは先生に相談するようにしてくださいね。
7ヶ月にはいった妊婦です。浮腫みのはじまりはいつからだったかな?たぶん5ヶ月頃かな(笑)最初はふくらはぎから始まって、足の甲、足首とパンパンにむくみました!病院で検査したら、血圧・尿蛋白ともにマイナスで、今のところ妊娠中毒症の心配はないといわれました。マッサージしたり、足の下にタオルを敷いて足を高くして寝ると、少し改善しましたよ!
只今妊娠34週の二人目を妊娠中です。最近むくみがでてきましたが、一人目のときもむくみはあり、先生から塩分を控えるようにいわれてました。臨月に入ったときは、むくみを軽減する漢方薬が処方されましたよ~浮腫みに効くツボを押したり、着圧ソックスを履いたり、少しは楽になると思うので、試してみてくださ~い!
妊娠初期に太りすぎたので、軽いむくみはありました。それから気を付けて体重管理をしたけどむくみは改善されず。浮腫みはいきなりひどくなり、足首が像のように(泣)指で押すとなかなか戻ってこないので、やばいと思って検査したら問題なしでした。赤ちゃんが生まれると、サーとむくみが引いてびっくりしたのを覚えています
自宅で安静のため、じっと同じ姿勢でいることが多く、足の裏が浮腫んで痛いです(泣)浮腫みを常に意識しているので、塩分控えめの食事にしたり、足の指を動かしたり足首の屈伸をしています。友人から、足を上に上げていたら楽になるよ~と教えてもらったのでやってみたら、少し改善された気がします。
34週目の妊婦です。妊娠初期のときからむくみはあり、4ヶ月頃は指輪が抜けずらかったり、靴はいままでのは履けませんでした。妊娠中期の体重は14kg増で、足がパンパンで歩くのもつらいし痛い!漢方を処方してもらったのですが、浮腫みが改善しなかったので、管理入院になりました(汗)
現在、妊娠38週になります。浮腫みがひどくて尿蛋白が出てしまったので、先生から妊娠性高血圧症になる可能性があると診断され入院しました。浮腫みがひどいときは、病院に必ず相談ですよ!!!後で取り返しのつかないことになっては後悔しますから・・・
妊娠37週目のとき、妊娠中毒性になり入院になりました。蛋白はでていなかったけど、血圧が高くむくみの症状がありました。安静に寝ていなくてはいけなかったので、テレビも見れない状態でした。
妊婦さんの約3割が浮腫みを経験するそうです。原因のほどんどは生理的なものといわれていますが、中には病気が隠れていて入院となる妊婦さんもいます。
手足がパンパンで痛い、辛い、浮腫みがひどいく続くようなら、自己判断せず主治医に相談するようにしましょう。妊娠中は何が起こるかわかりませんから、体に異変を感じたら我慢せず産院にいってくださいね。
カリウム
むくみの大きな原因といわれる塩分を、カリウムは体から排出させる働きをします。またカリウムには利尿作用もあるので、余分な水分(老廃物)も一緒に排出してくれるのです。キュウイやバナナなどの果物、ジャガイモや里芋などの芋類、枝豆などの豆類、ほうれん草やキュウリなどの野菜類など、多くの食べ物に含まれています。
ビタミンE
ビタミンEには、血中のコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防いだり、血管を健康に保ったり、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。リンパや血液の流れを促進したり、老化防止にも効果があります。ナッツ類、モロヘイヤ、カボチャ、大豆油やコーン油などにも含まれます。
クエン酸
主に酸っぱい食べ物、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類や梅干しなどにクエン酸は含まれています。クエン酸には、血液をサラサラにしたり疲労回復を助けたり、新陳代謝を助ける働きがあります。また、美肌や老化予防なども期待できる栄養素です。
茹でると水に溶け出る栄養素もあるので、野菜や果物は生のまま食べるのがおすすめです。料理をするときは、栄養素が逃げないように、レンジで蒸したりスープにするなど、栄養をにがさないような工夫をするようにしましょう。
酸化する植物性油やナッツ類は、封を開けたら早めに食べたり、冷暗所に保存してくださいね。
きゅうり
キュウリに含まれているアミノ酸のシトルリンには、血液の流れをよくする働きがあります。また、きゅうりにはカリウムが含まれるため、体内の老廃物を排出してくれるため利尿効果があります。体内の循環を高めるためむくみを解消できる食べ物です。しかしキュウリを食べ過ぎてしまうと、からだを冷やしてしまうので、適度な量を摂取するように注意しましょう。
アボガド
アボカドもたくさんのカリウムが含まれているので、むくみを解消できる食べ物です。水糖質が少なく溶性食物繊維が多いので、消化を助けてくれる働きがあります。ドレッシングをかけてサラダで食べてもいいし、そのままわさび醤油で食べても美味しい食べ物ですね。
バナナ
バナナには、浮腫みに効果のあるカリウムや食物繊維が多く含まれています。カリウムには塩分や老廃物を排出してくれる働きがあります。妊娠中のつわりの辛い時期でも食べやすく、また妊婦さんに必要な葉酸も含まれています。バナナは一年中手に入る食材なので食べやすいし、朝ごはんやおやつとしてもおすすめです。
アスパラ
アスパラには、ルチン、ビタミン、食物繊維など、たくさんの栄養素が含まれています。アスパラガスは、むくみや冷え性を解消するだけでなく、美肌や疲労回復、動脈硬の予防が期待できるといわれる、とても栄養価の高い食べ物です。また、妊婦さんに必要な葉酸も含まれている野菜なので、サラダやスープにアスパラガスを取り入れるとよいでしょう。
ほうれん草
貧血にいいといわれ栄養価の高いほうれん草には、デトックス効果があるといわれています。浮腫みに効果のあるカリウムやビタミン類だけでなく、解消妊娠中に必要といわれる葉酸も多く含む野菜です。食物繊維も含まれているので、便秘にも効果があるといわれています。
血液やリンパの流れが滞ると、むくみを引き起こす原因となりますから、マッサージやツボを刺激して血液の流れを皆改善しましょう。
ツボを刺激するときは、親指の腹をツボにあてるようにし、10秒ほどツボを押します。痛いと感じる強さでツボを押すのではなく、気持ちがいいと感じる程度の強さがよいでしょう。
むくみで痛みがあるときは、軽くマッサージだけにしたり、ツボをなでるようにしたりして、手足に刺激を与えましょう。お腹が大きくなってくると、自分でマッサージをするのが難しくなるので、旦那さんに手伝ってもらうといいですね。
ひざの裏にはリンパ管が集まっているので、まずはじめにひざ裏を軽くまげ、ひざの裏を軽くもみほぐし刺激してあげます。次に足首から膝に向かって流すようにマッサージしていきますが、このとき両手でふくらはぎを包み込むように、気持ちいいと感じる程度の力で、つかんだりさすったりするようにマッサージをゆっくり行いましょう。
足の指をギュッとグーにしたときに、へこむ場所にあるツボです。このツボを刺激することで、足の疲れや体のだるさを取る効果があるとされています。妊婦さんに大敵の冷えや不眠にも効果的です。
すねの外側でひざと足首の間にあるツボです。ふくらはぎの外側を触って、筋肉が一番盛り上げっているところです。このツボは、水分の排出を促してくれるため、下半身のむくみ解消に効果があります。胃もたれや消化器症状にも効果があるとされています。
ひざのお皿の下の外側の位置から、指4本分下がった場所にあるツボです。足の疲れには足三里のツボと昔からいわれるほど!足だけでなく体全体の病気や体力増強に効果があるといわれています。
足首の内側のくるぶしから、指4本上の骨のきわのツボです。むくみや冷え性に効果があるだけでなく、生理痛や更年期障害など、女性の健康維持に欠かせないツボです。
下半身は、水分がたまり血流が悪くなりやすいので、冷えやむくみを引き起こしやすいです。指先には、たくさんの毛細血管が張り巡らされているので、指先を刺激することで足先がぽかぽかして血流がよくなるため、不調を改善することができます。
腕のリンパや血流の滞りで、手のひらや指先がむくむ原因となりますから、腕のマッサージを行いリンパの流れを解消します。まず、反対の手で手首をつんで脇の方まで軽くさすったりつかんだりしてマッサージを行いましょう。
合谷(ごうこく)は、親指と人差し指の間にあるツボで万能のツボといわれ、悪い気の流れを改善する効果があるといわれています。妊婦さんがなりやすい肩こりにも効果があります。
指先には、毛細血管がたくさん張り巡らされていて、たくさんのツボがあります。指先のマッサージをしたり刺激を与えることで血流がよくなるため、むくみや冷えを改善することができます。全部の指をつまんでマッサージしましょう。
加圧ソックスは、足の浮腫みやだるさを和らげる効果があるといわれています。足首から太ももに圧をかけることで、血流やリンパの流れを促すことができます。しかし、間違った使い方をすると、かえって症状が悪化することもあるので注意が必要です。
着圧ソックスは市販されていますが、圧力に違いがあります。妊娠中に締め付けの強い物を選ぶと、トラブルを引き起こすことがありますから、マタニティ用のものを選ぶようにしましょう。
ひどい浮腫みや傷みが出たりする妊婦さんや、下肢静脈性疾患などのある方もいます。その場合、自己判断で着圧ソックスを使用してしまうと、症状が悪化することもあるので、一度主治医に相談し他方がよいでしょう。